アメリカの聖職者、フランク・クレーン(Frank Crane, 1861年 - 1928年)による「Just for Today(今日だけは)」というタイトルのコラムは、後に自己啓発で有名なデール・カーネギーや、アルコール依存症者の自助グループであるアルコホーリクス・アノニマス(AA)などに引用され、大きな影響を与えました。
AAをはじめとする依存症者の自助グループにおいては、「今日一日だけ」という考え方がよく使われます。
AAであれば、今日一日だけ、ともかく最初の一杯のお酒に手をつけないことをメンバーは何より大事にしています。
そしてそのことは、「今日一日だけを生きる」という生き方に繋がっていきます。
「今日一日だけ」という生き方を意識することによって、まだ来ぬ未来を必要以上に恐れずに、もっと心穏やかに楽に生きていけるかもしれません。
今日一日だけ、私はこの一日だけを生きようとします。私の人生のすべての問題をいっぺんに片付けようとはしません。一生続けなければいけないと思うと恐ろしくなることでも、12時間だけならやっていけます。
今日一日だけ、私は気持ちよく応じていきます。できるだけ元気よくして、ふさわしい身なりをし、穏やかに話し、礼儀正しくして、人の非難は何もしません。何に対しても、誰に対しても欠点を探したりせず、私以外の誰かを改めさしたり、コントロールしようとはしません。
今日一日だけ、私はなんでも自分の思うままにしようとはしないで、あるがままの物事に自分のほうを従わせていきます。めぐってくる運命をそのままに受け止めて、自分をそれに合わせいきます。
今日一日だけ、私は幸せでいます。エイブラハム・リンカーンの言った「大半の人々は自分で選んだ分だけ幸せなのだ」という言葉は真実でしょうから。
今日一日だけ、私は心を鍛えようとします。勉強をします。何か役に立つことを学んで、精神的な怠け者にはなりません。努力し、考え、集中することが必要な本を読んでみます。
今日一日だけ、私は三つの方法で自分の魂を訓練します。まず、誰かに良いことをひとつして、そして相手に気づかせません。もし誰かが気づいたなら、数には入れません。次に、ただ自分を鍛えるために、やりたくないことを少なくとも二つはやります。そして、自分の感情が傷ついていることを他の人に見せません。時には傷つくこともあるでしょうが、ともかく今日は人には見せないのです。
今日一日だけ、私はプログラムに取り組みます。完全にはついていけないかもしれませんが、ともかくやってみます。そしてせっかちと優柔不断の二つの害から自分を守ります。
今日一日だけ、私は自分だけの、リラックスした静かな30分を持ちます。この30分間、自分の人生に対して、もっと釣り合いの取れた見方をしてみます。
今日一日だけ、私は恐れません。特に美しいことを楽しむことを、そして私が世界に与えれば、世界も私に与えてくれると、信じることを恐れません。
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